ワルキューレ「The 八犬伝」

「永遠のぐるぐる回り」を人は「輪廻転生」と呼ぶのだ。

 こういうものを「質の高いエンターテインメント」というのだろう。

空間のつくり、様々な仕掛け、ムーブマイム、
「目に見えるもの」すべてがものすごく凝っている。
凝っているんだけれど、発せられるメッセージは
物凄くシンプル、そして深い。
お客さんを楽しませながら、大事なメッセージを
いつの間にかこころの深いところに「打ち込まれて」しまった。

 物語の入りは昔、山根青鬼という漫画家が書いた
「名たんていカゲマン」の「すり学校」というお話を思い出した。
それくらい川内さんのスパルタン先生が濃ゆい、濃ゆすぎる。

 そこから「存在そのもの」が「そうあってはいけない環境」に
あった時、存在はどれくらい拒否反応を示すのか、
じわりじわりと見せつけて、ここに「同じ響き」を持つ存在が
徐々に重なりあって、気がつけば滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」や
角川映画版の「里見八犬伝」とは違う世界がいつの間にか広がってきた。

 ここに「生きとし生けるもの全てには陰と陽が同居している」という
恐ろしく噛みごたえのある硬質なテーマが混ぜ込まれている。
このままでは歯がたたないほどの硬さをアクションがあり、
光や音がドッカンドッカン来て、早変わりや3D映像と
エンターテインメントとして楽しませて「噛み砕ける」工夫を
使って気がつけば、消化している。
ここがこのカンパニーのすごいところ。

 さらには、「本質、というものが持つ罪」もきっちり見せて
ああ、これが「狡猾」というものなのか、と考えてしまう仕掛けも。
あの占い師の立ち居振る舞いに「ひげの殿下」を思い出し、
「ああ、彼の方はもうこの世にいなくなったのか、切ない」と思ったのは内緒。

  けれども、過去チラシで見た八犬伝初演の時の
junさんの美しさ、あれこそが「たおやめぶり」であり、
今回の公演は「ますらをぶり」で演ったのだな、という発見を感じながら
家路につくことにしよう。
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