アルビレオ特急 「雰囲気のある死体」

美しい大人の悪ふざけ。

 父がどこかに行ってから初めての遠出。
初夏の雨傘屋以来の熊本。
あの時は東京でのガレキの太鼓から大阪、という流れで
えらく大変だったなと、この後も行く機会はなんぼかあったけれど、
ブレーンストーミングやらなにやらで行く機会が無かった。
さらには、父がああいうことになった、ということがあって
ここ数年、ものすごく慌ただしかった、なんだかんだに巻き込まれ、
積み重ねを一度壊して、再構築してこの作業がものすごく辛かった。

 さて、この積み重ねを壊して再構築する過程を次にどう繋げていくか。

 客入れ音、ドイツミュージックか。
ドイツと日本って、えらく雰囲気似ているなぁ。
「封建社会」という「都市文化」と「資本主義」という「反動文化」、
これらの問題が交じり合ってナチズムとなり、
薄気味悪い空気がなんかじわじわと来ているなぁ、そんなことを開演前感じる。

 というか、父が遠くに行ってしまう空間とほとんど同じ表演空間の作り。
違うのは「万が一」の時用の「一人部屋」ではなく、取ってつけでできた
「三人部屋」だったこと。
そういえば、こういう感じの部屋の隣に「説明部屋」があって、
そのまた隣にお医者さんとか、看護師さんの詰め所があった。
あの、重たく、苦しい空気の手触りを、わたしは忘れることができない。

 この空気の中で、熊本演劇の技量のある面子が
古き良き時代の「美しい日本語」で演劇をする。
それでいて、至る所に「大人の悪ふざけ」という「仕掛け」が盛り込まれている。

 板の上の「フリーダム」が過ぎている様子が「可笑しくて」、おかしい。
けれども、どこか美しいから、その裏にある切なさや哀しみが
じわりじわりとやってきて、自分が数週間前に感じたことと重なっていく。

 切なさと哀しみが重なっていくと同時に「閉じた世界」というものが
宿痾的に抱えている「稚気(チャイルディッシュ)」というものが
気が付くとその場にうずたかく積み上げられていて、
この積み上げられた「稚気」というものに真っ当な人間が
右往左往する様がそこにあった。

 この右往左往が「弱さ」から来る「不安」となって
一度入れば、二度と外に出られない「ソフトな牢獄」に囚われた
「入院患者」という「囚人」と「医師」や「看護師」という
「管理者のふりをした囚人」の相互関係、あるいは相互依存にまで化けていて
この化け具合が心と体の「ぶっ壊れ具合」となって、
コメディだけど怪談(ホラー)、になっている。

 ぶっ壊れた場を収めるために坊主が出てきて経を読む。
みんな、この後どうなったのか、誰も知らない。
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