柿喰う客 「ながぐつをはいたねこ」

「見た目がいちばん」という「ハッタリ」。

 それにしても、見ず知らずの他人の子供を預かることが
こんなにしんどいとはなぁ。
いや、まあ、11時開始だから遅れないように前日仕事終わりから
佐世保に入り、うだうだしてから久しぶりのアルカス佐世保。
ご挨拶してチケットを取りに行って、並んでいるとちょうどその日が
NHK交響楽団佐世保公演の先行予約日。
このチケットを買いに来がてら孫連れて見に来たのだろう。

 がだ、列がなかなか消化できず、そういう事情から預けて、
気をもみながら中にはいり、席を探して待つ。

 そんなこんなしていると用事を終えて戻ってきてまあ、何より。

 表演空間ではメイドの格好をした女の子が猫のようなムーブ・マイムを
やって、場をセクシーに「温めて」いる。

 こういう様を見ていると「猫」という動物が「セクシー」という文脈で
愛している人がいるのだな、ということを改めて感じてしまう。

 本編45分になんだかんだが加わって実質一時間と少し。
その中で「世界の名作」と「最新鋭の演劇」の融合を見る、という趣。

 気が付くといつの間にか「異次元」というものに引っ張り込まれた。

 というか、このお話、ざっくり言うと「人は見た目が9割」ということと
「拾ってもらった恩義を過激なやり方で返した」ということなのです。
その過程で起こった「まやかし」や「マジック」というものを猫が逆手に取って
「所有」とは一体全体何なんだろう、「イメージ戦略」とはどうすべきか、
ということまで見手に問いかけてくる。

 うーん、「ながぐつ」ひとつで「レジスタンス」が成立するとは
ホンマに「名マネージャー」だな、そして名マネージャーは
「太鼓持ち」の芸もある意味必要なのか、よいしょっと持ち上げて、
はしごまできちんと外しておかないと「奪う」ことができないのか、と
「文化」の違いを見せつけられるとなんとも言えない。

 こうして土地も、何もかも「奪った」あなたは
これから「あたらしい試練」が始まるのに、
どうしてながぐつを置いて行ってしまうの。

 猫にとって恩義を十二分に返した、それだけでよかったのかもしれない。

 「いま」と「むかし」が絶妙に混ざっていて、
この混ざり具合が人間の滑稽さやら何やらをうまく表現している。
あと、子供たちとのコールアンドレスポンスがすげぇ。

 こういう「ぶっ飛んだエンターテイメント」を見て育った
佐世保の子どもたちが「演劇」というものをやると
どんなものを作ってしまうのか、正直恐ろしい。
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