非・売れ線系ビーナス 「そう遠くない」

「貨幣の匿名性」をめぐる考察。

 博多リバレインの地下にこんな風情のあるハコができたとは、驚きだ。
おまけにハコ主がアクティブ・ハカタという博多演劇の流れを引くところ。
ショーマンシップといい、ここといい、「自前のハコ」にとことんこだわる。
というか、テアトルハカタ以来の里帰りができてまあ何より。

 表演空間、屋根裏獏、というかブラジレイロってこんなかんじなのかな、
という作りで客入れ音がジャズなもので、仕事終わりの疲れたからだに
とろとろと効いて本編に入る前に寝てしまいそうだ。

 いや、まあ、正直いって、戯曲の破壊力が結構ある。
土台はある喫茶店に集う人間模様なんだけれど、
なんていうか、ここまで表現していいのかな。
いろいろな面で「タブー」というものにギリギリ踏み込んでいく感じ。

 この端的な例が、「電子マネー払いとポイント」の
関係性に現れているのかもしれない。
この物語の住人たちはこの店の支払いを「現金」ではなく、
地元系鉄道ICカードで済ませている。
・・・しかも、「記名式」のカードを使って。

 途中からやってくる「よそ者」も最初は別の地区の
ICカードを使っていたが、「馴染む」に従い地元のカードを使う。
ここに「薄気味の悪さ」というものがうっすらと。

 なんていうか、「ポイントを貯める」ということと引き換えに
「わたしはここにいて、こういうものにお金を使った」という
「情報」を差し出している、その情報を使って奴らは
なんか企んでいるのかもしれない。 

 この「無意識に情報を差し出す」危険性に対比した
「現金」というものが持つ「匿名性」、そして「匿名性」というものが
あるから奴らはなんか「現金」というものを使わせたくないのだな、
という「企み」までもが見えてくる。

 結局、日本中、あるいは世界中いろいろな問題が起こっていて、
その問題を利用して、いい思いをする奴もいるし、
理不尽な扱いを受ける人もいるし、なんの影響も受けない人もいる。

 こういった「世界」や「日本」の問題を
「福岡」というサイズにまで圧縮してしまうとこうなってしまうのか。

 日頃、ニュースなどで見聞きした事柄に対して「痛み」や「辛さ」
というものは「所詮他人ごとだ」と感じることが多々ある。
がだ、これらの「他人ごと」が手許に引き寄せられると一体どうなる?

 もしかしたら、わたしたちは「出来事」というものの
重さ、衝撃が半端じゃないということを通して、
ありとあらゆることやものが「薄皮一枚で在る」を知るのだろう。

 この「存在する薄皮一枚」のバランスが崩れることで
わたしたちの世界は大きく変容してしまう。
「革命」とは一体何なんだ、「民主主義」とは一体何なんだ。

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