演劇企画室ベクトル 「頭痛肩こり樋口一葉」

人生をもう少し生きてみよう、
足掻いてみよう、作ってみよう。


 本当は、高知の演劇大学の帰りに東区民センターに
寄って、この公演のチケットをピックアップすればよかったのだが。
現実は、福岡に帰ってからの用事があまりにもタイトすぎて
広島駅について、ご飯を食べたりする余裕のある新幹線に
乗らなければいけないわけで。

 それにしても、駅裏のアーバインは一度入ると
外にでることが億劫になる。
会員になれば、22時からだが大浴場が使える。
一階のラウンジではお茶やコーヒーなどの
ドリンクバーがある、部屋もまあ、家にいるような感じだ。

 新幹線口のむさしで弁当買って、コンビニで足りないものを買って、
ご飯を食べて、部屋でスカウティングレポートを上げて、
テレビで酒場放浪記を見て、眠くなったから寝る。
・・・お酒はほんの少し。

 うーん、外で美味しいもの食べて、お酒飲んだくれたいのだが
そんなことをするとてきめんに翌日の感覚の悪さにつながってしまう。
頭重くて思考の網がうまく張れなくなるし、胃腸、肝腎が
弱ってしまうからうまくご飯が食べられない、特に朝。
お金使って自分で自分を悪くするのはあまりよろしくない。

 そういう状況を抜けることができて、まあ何より。
無印良品の場所も探し、スカウティングメモ用のノートを買い、
久しぶりにユニクロ行ったり、ヤマダ電機でヘッドホン探したり
広島駅までそろそろと散歩して結局東区民センターまで歩く。

 表演空間に入るとまずは客入れ音に驚く。
そこにある空間は井上ひさしの空気そのもの、
流れている音は大滝詠一、あの空間で「カナリア諸島にて」が
掛かってしまうとこのふたつの「混ざり具合」に唸らされる。

 そして、本編が始まると「テアトルハカタ」という
「ガチの博多演劇」のような技量で
これまた福岡のマニアック先生シアターというところの
持っている「若いけれど円熟味のある雰囲気」が程よく混ざり、
さらには広島の知的な空気で井上ひさしを演ると
難しいことをやさしく、という物語が更にわかりやすい、
というかやさしくなっている。

 やさしくしてみたら、「樋口一葉」って、いったいぜんたい何なんだろう?
「五千円札」の人、とはいうけれど、どんな文学作品を書いて、
どういう世界観をわたしたちに「提示」したからそこまでになったのだろう。
まず、そういう疑問がじわじわと湧いてきて、ここにオリンピックや
いわゆる「国際舞台」という状況になるといつも思う「日本人」とは
いったいぜんたい何なんだろう、という問いがじわじわ湧いてくる。

 この問を「樋口一葉とその家族」と「お盆という行事」という視点で
「もしかしたら、こんなことかもしれない、あるいは」という流れで見せるのが
前半、途中休憩を入れて後半は「生と死の混淆」と「因果の糸」に
翻弄されて「思うようにならない」ことを「苦」というのだ、とまとめていく。

 本当に人それぞれの「生き様」って、どこでどう転ぶかわからない。
なんの因果かわからないが人には「生まれながらの勝者」という
「役割」なのか「存在」が居て、そいつらは半永久的に勝ち続ける。
逆に「生まれながらの敗者」という「役割」なのか「存在」もいる。
まあ、人の生きざま、というもののほとんどは「ほんの少し」だけ「勝って」、
あとの残りは「引き分け」と「負け」なのだが。

 そう考えると「運・不運」なんてあまり軽々しく言えない。
「運・不運」という言葉を使えば使うほど使っている人間の
底の薄さが良くわかる訳で。

 さらに言えば人はみんな、それぞれが持っている
「良心」というものに甘えて、つけ込んで周りの人間を
「食い物」にして生きているのかもしれないわけで、
これらの「共食い」や「弱肉強食」の生存状況に
振り回される人間の弱さや哀れさを「女性」という
「弱者」の観点から物語を作ったのが樋口一葉だった。

 ここに行き着くと「人は人を食べて生きていかなくてはいけない」のか、
それとも、「人は人を助けあって生きていかなければいけない」のか、
ここから派生して「学問」というものは「人を食い物」にするための
「わざ」と「すべ」なのか、はたまた「人を助ける」ための
「わざ」と「すべ」なのか、もっと言えば「役割」や「立場」は
「現世」の間では「半永久的」に固定されてしまうのか、
大きく変動することができるのか、突き詰めれば「全て」は
「永遠」なのか「一瞬」なのか、生きているうちにはわからないことだらけ
ということに気がついてしまう。

 こんなことを気づかせるためにわたしたちは「苦」というものを
嘗めなければいけないのか、そしてこの嘗めた「苦」というものが
「人生」と「文」を育て、その人生を削るようにして文を書き上げたのか。
・・・なんか、ものすごく深い、深すぎる。
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