西南学院大学演劇部 「decoretto」

戯曲を「着こなす」とはどういうことなのか。

 この戯曲、ぶっちゃけて言うと、中村公美、という
一人の女優の「ために」書かれた、いわば「完全オーダーメイド」。

 故に、シンプルだけど、美しいという彼女の良さを
最大限に味わうための戯曲、ともいう。

 この戯曲の他に「gift」と「apartment」という戯曲で
「三部作」を構成していて、根底に流れているストーリーは
ものすごく深い。

 それにしても、西南学院大学演劇部は「攻めた」作品セレクトを
部の伝統にしているよな、いつぞやは北芸プロデュース作品の
「冒険王」をやり、つい最近は野田秀樹ばかりやっていて、
それが卒業したら「そめごころ」いう劇団となって、
前回は「クロノス」ときやがる。

 やるよ、という話を聞いて考えた。
・・・戯曲、というものは「オーダーメイド」であるべきなのか、
それとも「レディーメイド」であるべきなのか、という問を。
九州戯曲賞の受賞傾向はこの問を強く感じてしまう。

 この戯曲を「実演」するところが現時点で持っている
実力以上を引き出すことができる「ことば」や「状況」を
作っているか、否か、ということなのだろう。

 そんなことを考えつつ、お行儀のあまりよくない
どこぞのガキに少し苛立ちながら本編に入る。

 物語の肝は「歳を取り過ぎた眠り姫」がなぜそうなったのか。
「孤児」という傷、「殺人」という傷、これらのえげつないことを
直接に見てしまったから、経験してしまったから、
「経験したあとの人生」というものがとてもつらいことが
わかっているから「眠り続ける」ことを選択したのだろう。

 故に、なにか意識に「深く」入り込んでしまう、「不覚」にも。

 そして、「3つの現実」が薄皮1枚で繋がっている物語が持つ
くどくてヘビーな状態を「童話」のシンプルさで薄めて
見やすくした趣。

 「レナードの朝」という映画が元ネタだ、というところを
ぎりのぎりまで見せない工夫はさすが。

犯罪ってなんだろう?
裁判ってなんだろう?

いろんな問いがぐるぐるしてた。

 しかし、西南学院大学版はまだまだそこまで出せる技量が
なかった、なかったから物語をちゃんと「なぞる」だけで
一杯一杯という感じだった。

 けれども、capri版を見た時はあまり感じなかった「エーテル体」と
「アストラル体」の織りなす、人生の「いたずら」のもつ不思議さや
おしゃれな「意地悪」というものがうっかりと見えている。

 人間って、「肉体」と「霊魂」がセットになって「生きている」のだろう。
そして、「肉体」と「霊魂」が切り離された時、本当に「死ぬ」のだろう。
その切り離されるギリギリで繰り広げられるお話だったのか。

 やっぱり、LOVE&peaceの型はひとつだけじゃない、
いろんな型があっていいじゃないか。

 その「見届け人」があのふたりだったのかもしれない。
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