アントン、猫、クリ

一日「1万数千歩」の生活感。

 福岡演劇フェスティバル開幕。
というか、久しぶりに「戻ってきた」、本格的にという感じだ。
この数年間、諸々の事情があって、「スポット参戦」という形で
所々にしか行っていない。

 ・・・口開けのテープカットに行って雑談して移動。
結局、もう「気にする必要」はなくなった、ということか。
わたしにとって「害」になる物や事は自分から近づかない、それで良い。

 本当に、「始まり」ってやつは色々とあるよな。
良いことも、悪いことも、面倒なこともどっさり。

 そんなもろもろごとを思いながらハコの中に入る。
ものすごく贅沢で、客入れ音からしても「ソフトなクラブ」という感じだ。
こんな状況で演者が見手と同じタイミングで入ってきて
表演部で心と体を温めている。

 見手も見手で心と体を温めているといつの間にか、もう本編。

 「篠田千明」という「クラブの箱主」が「毎日の生活」という
「路上の現実」を「自ら経営するクラブ」でぶちかましていると
ものすごく高負荷な作品になってしまった。

 ・・・演者にとっても、見手にとっても。
故に、毎日の生活が細部まで恐ろしいくらいに迫っている。
目を開ける、立ち上がる、歩き出す、外に出る、外に出て、
触れる全てのものを通り過ぎ、「出来事」までも通りすぎる。
そして「猫」と出会い、立ち止まる。
立ち止まったあと、またいろんな場所を通りすぎていると
携帯電話から力強い音と振動が聞こえてきた。

 今まで見た「全て」は夢だったのか?
「目覚まし」で我に返り、自らの「生存」を確認するルーティンを
始め、顔を洗い、歯を磨き、髭を剃り、ご飯を作り、ご飯を食べ、
外に出るしたくをして、外に出て、何かしら用事をして、
家に戻ろうとするとどこかで鍵を見失ったらしく、ベランダから
入ろうとしたところで「出会い」が生まれ、なんとか家に入り、
お風呂に入る、ビールを飲む、うとうとする・・・。

 いつものような一日の繰り返し。
この中に「猫」という存在がいつの間にか入り込み、
「違う日常」が平行してじわりじわりと動き始めている。

 こういったものを身体言語と地の声、そしてボイスパーカッションで
やるものだから、すげぇシンプル。

 シンプルだからやること、見えることに「名前」が一つ一つ
付けられて、意識してしまう、取りこぼしの無いように
集中が高まって、ハイプレッシャーな状態に連れて行かれて、
すげぇテンションが上ってしまう、上がりすぎて落ちた。

 この「意識」というものの層が重なってしまうと「街の空気」が
箱のなかにいても肌触りやにおいまで蘇ってくる。
わたしが毎日家から仕事場まで「歩いていく」1万数千歩の中で
感じる全てが。

 その中で、ある者にとって、好きもいれば嫌いもいる、
この様がアントン=猫=クリにどう接してきたか、その様子が
猫の目線でどう見えたか、という要素も重なってなんとも言えない。

 服を着替えるように動きを違えさせるとなんとも言えない感覚が。
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