冨士山アネット/Manos. 「醜い男」

すべての「常識」というやつを壊してしまえ。

 「意図的に避ける」という行動は果たして良いことなのか?

 ・・・わたしはその人達があまりにも「醜い」ということを
皮膚感覚で「感じて」しまったから「意図的に避ける」という行動を
取ってしまう、あるいは取ってしまったわけで。
この行動がどうやら陰で不快だ、と思われているらしい。
で、その「反応」をもろに受け取って心と体がしんどかった。

 どうも我慢ならんから今回は敢えて意図的にポジションを
変えていく、なんか厭だな、という空気を察知して。
そのことを母に話すると、「よかった」と云う。
ここでまた、世間とのギャップに戸惑う。
気にしたくないのだが、「かまって」アピールが酷い。
・・・あまりに酷いからうんざりするわ。

 はい、毒を出しきったところで本題に移るか。

 さて、この演目、8月にリーディングという形で
「顔を変える」ぎりぎりのところまで見せた、というか
聞かせた、本当は行く予定はなかったが、担当のそら・・・
じゃなかった、はらさんにぎゃ。の最終公演で捕まって
チラシ貰って、では行きます、という次第。

 この時はさかせとそめごころの若いのとあと誰だ、
長谷川さんが事前のワークショップで捕まえた福岡の演者を
使って、「演者の技量」と「静止画」を補助的に使って、という趣。
本公演もそういう形で見せるのかな、と思ったが、
水槽もあり、額縁が吊ってあり、譜面台もある。
その他にもいろいろな意味で「仕掛け」が満載だ。

 もしかしたら、これが「ぶっ飛んでいる」おしゃれとはこういうものか。
この「ぶっ飛んでいるおしゃれ」で「プラグ」という「ことば」に
「ダブルミーニング」というか「二重メッセージ」をぶち込まれると
不思議に物語が納得できる、というか納得した。

 この戯曲、というか物語の肝は高電圧「プラグ」という
「工業製品」を開発する仕事をして、「特許」という「評価」は貰った。
けれども「評価」を外に出して「商品」として「売る」ための
「評価」は恐ろしく悪い男がいた。

 周囲は「彼」が持つ「内面」の「素晴らしさ」に惹かれ、
「美しさ」に引き寄せられ、「彼」もその点は自覚している。
けれども、「外面」、特に「顔」という部分があまりにも「醜い」、
・・・「ことばにはできない」とは言うけれど、いったいぜんたい
どれくらい「醜い」のか、ここから「戯曲」の「罠」というか、
「魔法」に見手が掛けられていく。

 「醜さ」の「程度」が個々人によって違う、ということ、
「正当な評価」の基準がこれまた個々人によって違う、ということを
逆手に取り、「彼」が「顔≒自己」を「放棄」して「彼」の望む
「顔≒自己」を手に入れる、ということでまずはひとつ突き崩されていく。

 そして「彼」の望む「顔≒自己」を手に入れたことで「プラグ」という
「ことば」が「工業製品」から「商業製品」、さらには「性的な何か」と
いうように様々な「意味」と「価値」が「倒錯」していく様子が
滑らかに展開して、基本、基盤となる「常識」や「評価」がもつ
「意味」と「価値」、そのものが「天地返し」を起こしていくさまを見て
またひとつ突き崩されていく。

 突き崩されていく中で問われるのは
「美しい」とはなんぞや?
「醜い」とはなんぞや?
「商品」に「意味」や「価値」があるのか、
それとも「商品」を売る「存在」に「意味」や「価値」があるのか?
「人間性、あるいは魂」に「意味」や「価値」があるのか、
それとも「見てくれ、あるいは外面」に「意味」や「価値」があるのか?

 さらにはこれらの大前提である
「わたし」はいったい、どこからここに来て、どこへ行こうとするのか?
もっと突き詰めれば「わたし」は「わたし」としてどうありたい?
というところまで問われてあらゆる意味でぐちゃぐちゃになる。

 ぐちゃぐちゃになった挙句、いちばん「醜い」形であっても
それを受け入れて、初めてこの問を解く、というか解が見つかる。

 結局、全ては「同調圧力」の為すことであって、
何でもかんでも「自分の責任」として背負い込むのも
しんどいし、逆に「他人のせい」と開き直っても別の意味でしんどい。
というか、「責任」というものを論じること自体、意味が無い。
さらに言えば「ありのまま」とはなんぞや、という議論も意味が無い。
何ならそういう「闘争」から「逃走」したほうがいいのではないだろうか?
・・・それでいいんじゃね、という見後感。
スポンサーサイト
プロフィール

itumo25254you

Author:itumo25254you
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR