schop 「屋上庭園/かんしゃく玉」

「器用に世の中を渡っている」人たちに
囲まれた「不器用な夫婦」が持つ哀しみとやるせなさ。



 まず、最初の予定として、熊本「dendeki」の予選2セットに
行くことを決めた、土曜日だから。
その話を決めたのがちょうど鹿児島でぶっ倒れる前。
・・・事実非売れ「そう遠くない」は熊本でもなく、長崎でもなく、
沖縄で見たほうが「ひとつの何か」を掴めそうで、そういう予定にした。

 現実は心と体がギリギリまで追い詰められて性も根も尽き果てた。
流れで休養のち、リハビリ、という流れなのだが、土曜日曜祝日が休み。
そうなったら日曜日に非売れを長崎で見る予定を入れて、
こうなったら交通手段はバスを使おう、例のフリーパスで。

 月曜日、別府の温泉保養もいいかな、なんて思っていたら
ちょうど父の一周忌、だったら金曜日しか動けないじゃないか。
どうしよう、と夜中悶々と考えていたら北芸でスコップがある。
てなわけで、金曜、土曜、日曜の日程になった。

 さて、久しぶりに北九州芸術劇場「創作工房」の中に入る。
わたしが福岡舞台計画から外に出て、演劇で「居場所」と
「立ち位置」を探しに行くために、通った場所。
あと、熊本のDRINKとそこから派生したGKKも。

 いまは、わたしにとっての「居場所」や「立ち位置」はどこだ?

 「岸田國士」って、現時点で「居場所」や「立ち位置」のない
極めて不安定で、危ういとことに辛うじて立って、生きている
だが、親のお金で食うには困らない「高等遊民」の男や、
これまた「居場所」や「立ち位置」に困る結婚したての若い
「夫婦」の機微を表現するのが旨い、という印象。

 その印象をちょうど半年前、鹿児島のLOKEというところが
「葉桜」と言う戯曲と「屋上庭園」と言う戯曲を「にこいち」に
してから、ふくぞのさんという女性の演出を使って見せた。

 さて、今回は、「葉桜」の代わりに「かんしゃく玉」と言う戯曲と
「にこいち」にして、りきぞう、という「身体言語の引き出し手」が
どういう「人生」と「化学変化」を見せていくのだろうか?

 そんなことを考えていたら、いつの間にか
演者がそろそろと控えに入り、「人が死んだ」あとの
ざわざわ感を多少なりとも抱えながら物語が始まる。

【屋上庭園】

 「死ぬこと」でしか「活路」を見いだせないヤバイ状況も存在する。
さらには、本当に状況を「死ぬ」ことによって打開した「何か」が
屋上庭園のどこかに「へばり」ついている。
そのなかを「勝ち組」夫婦と「負け組」夫婦が並んでやってきた。
「風の音」なのか、「荒涼たる心の音」なのか、ビール瓶を笛にした音が
どろどろと鳴っている中に。

 「欲」がないのも、またひとつの「欲」というのだろう。
そうなると、世の中、騒ぎすぎだよ。
「セレブ」なんていうけれど、そういうの、みんな「掃き溜め」のなかに
いる「高等遊民」じゃないか、そしてこの「高等遊民」から落っこちて
居場所もなく、立ち位置もない、故にどうしたらいいかわからず、
されど、妻と言う存在を食べさせていかなければいけない。
がだ、「良い友達」ってなんなんだろう?

 逆に「信じて待っている」妻だけがいるから男はその妻だけを
信じて、新しい道を歩くように生きていけばいいんじゃね、と思うのです。

【かんしゃく玉】

 この戯曲、単体ではものすごく短い。
故に「演者」を「裏表」ひっくり返して同じ戯曲を演る、というのが
「北九州の流儀」になりつつある。

 今回の「表」はメインの女の持つ空気感、
台詞の出し方が「異国感」というものとしてものすごくなっている。
もしかしたら、中国、もしくは琉球から何らかの形で「東京」にやって来て
ある男と「偽装結婚」をしているのかもしれない、という感じだ。
故に女を「利用する、利用される」という関係がある
ところに「地下組織」の臭いがしっかり残っていて、
その地下組織が女を使って情報を盗ろう感がうっすらと。
・・・それを感じた男は面白くないよなぁ。

 と感じさせたところで「裏」に入る。
てか、じじの「美人感」が半端ないわ。
この「美人感」をうまく使いこなして「性的に」男を誘う、
誘った「お礼」として旦那さんに食べさせる高級なお肉を
誘った男に「買わせる」、その一連の動きに「説得力」がある。

 てか、「説得力」のある「美人感」はある意味「売春」の
誘いすら「運んで」来る、「カフェ」という「置屋」をやれ、だの
高名な老学者の「お世話係」をやれだの、みんな「からだ」に
いや、「セックス」に関係していることばかり。

 まっとうに生きていたいのに、まっとうではない手段でしか
「生きること」ができない、モラルに反して生きていくのは
すんげぇキツイよな、だからインモラルに直面した時
この夫婦はかんしゃく玉をバチバチ言わせるのだ。

 がだ、あまりにも世の中がインモラル過ぎて
かんしゃく玉が足りなくなった、そして「思い出の品」である
「ヘチマコロン」の瓶にまで手を出そうとするが、思い留まる。
・・・良心は最後の最後に残っていたか。
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