劇団どくんご 「OUF!」

「野試合」の流儀。

 「ダム」終演のち、交流会、というもので軽く茶を飲んで
雑談しながら様子をうかがうと、どうやら前もって手配した
帰りの新幹線ではうまくいかない、ということがはっきりわかり、
まずは熊本駅に戻って最終のつばめに変更をかけると
すんなりと通り、下手に焦ることなく河川敷へと向かう。

 開演どころか、開場にも早過ぎる時間だが、
熊本駅近辺は時間潰す場所が少なすぎる、というか
下手に動くと開演に間に合わなくなる。

 故に、公演の準備をしている近くでいろんなことを咀嚼し、
つとつとと考えていけばいくほど、なんかようわからんが、
悲しくなるわ悔しくなるわ、でまたやりきれない気持ちになる。
・・・ああ、風呂屋やらネカフェやら長逗留出来る場所が
熊本駅前にあれば、なんとかなるだろうに。

 それにしても、最近世の中すべてがリアルで
「お笑い」やらかすものだからいろいろな意味で洒落にならんし、
本当に何でもありすぎて、生きていくことさえ大変だ。

 そういうことを考えていたら窓口が開いて、木戸銭払って
中に入ると、本当にわたしが小さかった頃、大阪石切神社だったのか、
生駒山の参道だったのか、夜のお参りに行って、その帰りに
引き込まれるように入っていった見世物小屋の空気によく似ている。

 がだ、見世物小屋よりも「安上がり」にできているし、
「安上がり」にできているからこそより「濃い」空間で、
しかも集う人々もものすごく「濃い」、そしてわたしは
小さい頃、たった一人で中に入っていったが、
親と一緒にこういう「濃い」場所にいること自体、なんか凄い。

 がだ、ざわざわざわと人が入る、おまけに最前に席作られると
・・・まあいいや、本編に入ろう。

 初手から掴まれましたわ。
暗くなって、どっかーんと「目出鯛」の幕が開くと
熊本ニュースカイホテルの高層ビルやらその他もろもろの
「街の景色」というものを「借景」にして「異次元」ともう一つの
「異次元」を「接続」する物語をおっ始める。

 そこには人間も、宇宙人も、男性も女性も、そしてありとあらゆるものが
混ざりに混ざって、ものすごくぶっ飛んだ、それでいて懐かしい物語。
・・・そういえば土曜日の夕方、「料理天国」というサントリー提供の
番組があって、そこでかかっていたコマーシャルにこういう世界が
表現されていて、そこでわたしはアントニオ・ガウディやら
アルチュール・ランボー、という名前を知ることができた。

 そういうことを思い出し、空間が持つ不思議な響きを
夜の河川敷、テント小屋、そして秋の入口の温かいと寒いの
変に混ざったところで感じてしまうとあの土曜日の夕方に感じた
「切なさ」というものを再び思い出してしまう。
 
 物語の中身はパウル・ツェランやアルチュール・ランボーの
「散文詩」のリズムやマルセル・プルースト「失われた時を求めて」の
文学的空気がこれでもか、と満ちている。
ここに第七インターチェンジの「芥川龍之介ワールド」が絡み、
なんていうか、和洋の「えげつない文学」というものを
あの空間と身体言語に落とし込むとこんな具合に深くなるのか。

 さらにはちょうどいい塩梅で「雨」が降るし、これが「野試合」の
凄味なんだよな、何年もこういう形で積み重ねてきた「強さ」と
いうものを目の当たりにすると、理屈はどうでもいい、
身体ですべてを感じるしかない。
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