演劇ユニットそめごころ「201x年の記憶」

わたしたちは、「そめごころ」だという「決意表明」。

 このカンパニー、というか、ユニットは結成当初、
もしくは結成「以前」からずっと野田秀樹の戯曲にこだわってきた。
「農業少女」から「表へ出ろぃっ」、「THE BEE」から「赤鬼」、
短編で「エッグ」を意識した「Death Disco」の超短縮版、
野田秀樹が書いた一人芝居は・・・女の子版は
「障子の国のティンカーベル」か、それを意識した男の子版の
一人芝居用の戯曲、で、「Death Disco」をある程度の時間に
「作って」、「走れメルス」を外部からの演出入れて2バージョン、
「自分たちはどこまでできたか」を知るために狭い空間で
「赤鬼」と「THE BEE」、そして今回、初めて長めのオリジナルをやる。

 結論から先に言うと、「救済されなかった、救済できなかった魂」と
あるいは「救済できなかった魂の記憶をめぐる物語」
としては野田地図の「エッグ」とおんなじことを言っている。

がだ、アプローチというか切り込む姿勢がほんの少しだけ違った。

 まず、表演空間、こういう塩梅で「四面囲み客席の真ん中に表演部」を
使われてしまうと複数回見に行ってしまいたくなる。
しかし、惜しいところは客席の段目、高さがいまいちだったところ。

 表演部に転がって、「カオス」というものを作り上げている「もの」は
ロッカーではなく机と椅子、さらには「ブレヒト・カーテン」という代物が
二枚、斜め平行、しかも客の目にさらされる場所に存在し、
さらには入口近くに「クランク」を仕掛けて「物語」の導入を作り、
90分から100分間、演者は出番のあるなしにかかわらず
見手の目に常にさらされている、という恐ろしいことになっている。

 さて、「エッグ」の元ネタは「731部隊」と「東京オリンピック」、
「Death Disco」の元ネタは「311大震災・フクシマ」と「東京オリンピック」。
本編の元ネタは「佐世保で起きた同級生バラバラ殺人事件」。

 この元ネタを軸にして「救済されなかった、救済できなかった魂」が
なぜ生まれてしまい、「わたしはわたしを救うことができなかった」、
「後悔」という「記憶」と「救済されなかった魂の記憶」に人々が
翻弄され、苦しめられていく様子がピッタリと重なっていく。

 違いはただ一点、バラバラにして「カオス」のまま終わらせたのか、
「カオス」のその先にまで荒削りかもしれないが踏み込んでいったか。

 「救済されなかった、救済できなかった魂」と「記憶」が
ぐちゃぐちゃになってバラバラになった「欠片」を何らかの事情で
回収することを「しなかった」のか「出来なかった」のか、「エッグ」は
放ったらかしにして「赤い夕陽は・・・」というふうに無理矢理に
「持っていった」感がある。

 この「欠片」を不器用ながら何とか拾い集めていくと、
とんでもない「過去」、もしくは「そうなるべくして起こった重大な出来事」
というものがうっかりと見えてしまう。

 うっかりと見えてしまうと「そうなるべくして起こった重大な出来事」に
よって、その「出来事」に携わった数多くの人々の「その後」というものが
大きく変化してしまった、「変わらないよ」と勘違いして、
「大事にならないように」尽力しなければしないほど「その後」という
ものはより一層「悪い方向」へと変化してしまう。

 人は、その「結果」だけを見て恨んで、嘆いて、怒ってしまう。
けれども、その時にはどうにもならないわけで。

 だとしたら、「大事にならないように」尽力するにはどうすればいい?

 そこにいるあなたとわたし、そして「他者」もしくは「異者」が
各々、それぞれの「生きている時間軸」、「生きている時間帯」は
全く違う、けれども何らかの事情で重なってしまっただけ。

 重なってしまったとしても、わたしはわたしの「時間」を、
あなたはあなたの「時間」を生きていかなくてはいけない。

 その先に、何があるかわからないけれど。

 わからないけれど、受け止めてやっていく、という「決意表明」を
こういう形で見た、ということか。
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