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下鴨車窓「微熱ガーデン」



人間は「良心」に縛られた「動物」である。

 下鴨車窓、というか、田辺剛という人は効率的に「演劇活動」を持続するために
ITという最新テクノロジーをこれでもか、と使えているから、正直すごいと思う。
在庫を最小限にするために「紙に印刷され、製本された」戯曲集や上演台本を発売せず、
(今流行りの)アマゾン電子書籍化、公演アンケートもQRコード読み込ませてスマホ、
タブレットから回答することができる。

 ということは演者やテクニカル(スタッフ)に手渡される台本は紙じゃないのか?
アマゾンキンドルを演者やテクニカルに渡して、これで台本読んでね、だとしたらすごい。
そして、公演チケットの予約から決済の流れで紙チケットを使用せず、クレカ決済の他にも
携帯電話のキャリア決済に対応したシステムから観劇後のサンキューメールからアンケートに
誘導する流れができたら・・・怖くなってきた。

 けれども、板の上で繰り広げる物語には恐ろしいくらいに人間の匂いがする。
今回は生きていくお金を稼ぐために「大麻」というか「脱法ハーブ」の栽培に
「うっかり」手を染めてしまった女の子の日常。

 箱の中に入り、よーく見てみると、私がかつて読んだことのある「あ・ジャ・パン」という
小説のいち場面、大阪鶴橋の銭湯跡に迷い込んで、朝鮮豆もやしの密造工場に
出くわした、ということを思い出させるくらいギュッとした空間、暗くてヌメッとした
なんとも言えない空気をほぼそのまま演劇空間に起こすことができている。

  この演劇空間で繰り広げられるは、「良心に沿って生きる」と「良心に背いて生きる」という
相反する生き方、「善意」と「悪意」が糾える縄のように複雑に絡み合って、
気がつけば希望が絶望に化け、孤独は深まる。

 孤独が深まれば深まるほど栽培する「作物」の質、量ともに向上し、
稼げるお金もより多くなっていく、けれども、生活は「作物の栽培」と「学業」に
全部持っていかれて、狭い空間で食事をし、休息する。

 仕事自体は合っているけれど、働き方が孤独を誘発すると、気が狂いそうになる。
気が狂いそうになると、隣人の孤独な老人に対して、「良心と善意」を持って応対する。
・・・それが「規則」や「マニュアル」に反したことであっても。

 この「良心と善意」が結局は「違法植物の栽培」から離れるきっかけになるのだが。
というか、きれいな方の女の子が「良心と善意」から離れたところに自らを置いたことが(以下略。

 ・・・私が演劇の仕事で宮崎にいったときであった女の子とほぼおんなじ人生だな、と
うっかり思い出して、ここ数年連絡や音沙汰が無いけれど、生きているだろうか?
そんなことまで思い出した。
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itumo25254you

Author:itumo25254you
演劇を見て、感じて考えて書いていきます。
ひとつの言葉が次につながるきっかけになりますように。

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