時間堂「ローザ」@枝光アイアンシアター

本当に「革命」ってなんなんだ?


 夏にぽんで見た時は物語を味わえなかった・・・正直言って。
最近、剣呑かつ、陰湿な空気を感じるとその場にいられなくなる。
自分は自分を何とかしたいのに。

 そういうなんだかんだを感じすぎて、ふと考える。
「普遍的」とはいったいぜんたいなんなんだろう?
あなたにとっての「普遍的」がわたしにとってそうではない。
逆にわたしにとって「普遍的」なものがあなたにとってそうではないこともある。
この二つの事実をきちんと飲み込めることができたらそれはそれで素晴らしいことなのだが、
現実の生活はこの二つの合間に挟まれ、悶え、そして苦しんでいる。

 その挟まれ、悶え、苦しんでいるグダグダ感を思い、枝光アイアンシアターおなじみの
子どもたちの集団が放課後、劇場に集ってなんだかんだしているところを見ながら
「わたしが演劇を欲していたあの頃」や「私は演劇にどう入っていったか」ということを
あれこれと考え、「結局、わたしは私の望んだ方向に多少なりとも歩けてはいる」と納得したわたしがいる。

 わたしと同様に板の上にいる演者も福岡公演よりもリラックスしていないか?
ゆるりゆるりとウォーミング・アップをしながら子どもたちと遊んでいる。
遊びながらも準備は十分できている。

 そうしてお互いがニュートラルな状態に入っていったところを見計らって
ふうっと廻りが暗くなり、静けさを打ち消すかのようにドスンドスンと音がした。
・・・ああ、これが「空気」が変わる、ということなのか。
 ローザ・ルクセンブルグ、という一人の女性が「殺された」。
福岡では「銃」によって殺された、と思い込んでいたところを導入部で
じわりじわりと「殴り殺された」ということが分かる作りになっていたが、
枝光アイアンシアターでは最初から「殴り殺された」という空気がそこにできていた。

 というか、「テロ」という行動を「演劇」で、なおかつシンプルに表現するとこうなるのか。

そして、彼女の「命日の法要」らしきものがあり、その場所での思い出話を通して
彼女に関わっていた多くの人たちが抱えている、もしくは抱えていた
「誰にも言えない秘密」というものがいつの間にか炙りだされている。

 革命だ、なんだと言ってもお腹は空く、人を好きになるし、嫌いにもなる、
綺麗なものは綺麗だし、美しいものは美しい、醜悪なものは醜悪だ。
そういった様々な感情が「自然な形」で表現されるとかんかくは 「解きほぐされて」しまい、
この結果、人間というものはどうやら二つの感覚を持っていることに気がつく。

 「変化」というものを「受け入れて」いく「開いている」感覚と
「変化」というものを「拒んで」しまう「閉ざされた」感覚のふたつに。

 このふたつの感覚が平衡を保っていることが一番理想的なのだろうが、
たくさんの状況や環境によってどちらか一方に触れてしまう。
その「一方に触れてしまった」、という「現実」を見ることで、
人は「敗北感」というものを抱え、こじらせて「無力感」にまで転じさせてしまう。
だから人間が生きていく、ということは結構面倒で厄介なのかもしれない。

 だからこそ、ローザ・ルクセンブルグはああいう風に立って、居て、振舞ったのかもしれない。
この面倒で、厄介な出来事の中でも、「女性」としての「わたし」を貫こうとすることで平衡を保とうとしていた。
この「わたし」を貫けば貫くほど世の中のあらゆる性別、民族、出自、立場を始めとした
「人間が人間を縛る要素」から自由でありたい、という思想が鮮明になってきている。

 ほんとうの「革命」とは、異性愛者も同性愛者も、金持ちも貧乏人もそれぞれに
役割や居場所があって、それらを侵さず尊重することなのだよ、とそれとなくわたしに教えてくれる。
だから、それぞれの”世界≒InterNational”を”変える=Change”するから
”Interchange”なのかもしれない。

 しかし、外の現実は男である、女である、異性を愛している、同性を愛している、
肌の色、出自、学歴、職場、職種、職業、居住地、なんだかんだとほんの些細な違いが多すぎて
その違いを自らが作り、自らが縛って生きている人が大勢を占めているようだ。
そんな些細な事に縛られると、考えが硬直し、考えが硬直すると生活が硬直する。
硬直すればするほど問題は深刻さを増し、自由である、もしくはあろうとする存在を圧迫する。

そういう恐ろしさを今回は空間のごゆさと、子供たちの「素直さ」で充分に味わえた。
ああ、ビールが飲みたい。
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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

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