マニアック先生シアター 「裸でスキップ」

一献の盃は十年の知己に優る。
今宵の歓楽は明日への活力。


 このホン、北芸のリーディングセッションの選考会である部分を
作者の鈴木聡氏の前で読んだわ。
軽くこういうことをやっています、と雑談してから抜き書きで出して受けて。

 まあ、ごにゃぐにゃがあって、それより以前のこともあって
熊本のDrinKと言う場所にお世話になって月一日曜、熊本県立劇場に
福岡から通って、リーディングのトレーニングをやり始め、
この場所が環境としても、人間関係としてもしっくり馴染んで、その中でもみほぐされて
信頼関係が構築できて、GKKと言う企画で見手の前で自分を見せることができた。
がだ、なんていうか納得出来ない状況が幕が開く前、うんざりするほどあって、
開演直前に逃亡しようと荷物をまとめてそっと消えようとしたら、ある人に捕まって、
話は分かった、けれど、トレーニングを始めた頃は見ていられなかったよ、でも今はどうだ。
・・・そうだったのだろう。とはじめて腑に落ちた。

 まあ、無事演者をやりきって、その翌々日からハンバーグ工場での仕事が始まり、
いつのまにか土曜は休めるようになったが、日曜が休めなくなり、次の年のGKKは
前よりも演者として自分を出せるようになった。
しかし、演者として生きていくためにまとまった時間を使うことができなくなってきて、
「スカウティング」という形で生きていかざるを得なくなってしまったけれど、まあいいか。

 開演前の簡単な振り返り終了。

 それにしても、若い娘が飲んだくれて、あられもない姿を見せつけるのはなぁ。
しかも、自分の部屋に見ず知らずの男を連れ込んで、しかも自分の会社の寮に。
さらにはこの事実が理解できないほど泥酔するまで飲むことが(以下略。

 どうも、この会社は家具を作る木工所らしい。
朝から夕方まで椅子やらテーブルやら黙々と図面を引き、木材を切り、
組み立てて商品を作る日常なのだろう。
この日常だからこそ、そこから離れるとそれぞれが強烈過ぎるキャラクターで
傍目から見ればぶっ飛んだ行動をとりがちになるのはよくわかる。
このぶっ飛び具合を「寸止めの美学」で見せる塩梅がなんとも言えなくて、
ああしなくては、やってられない感じが大変良いのです。

 ついでに「職住接近」ってなんかいいよね。
さらには朝、昼、晩と三食まで会社の福利厚生で食べさせてもらえることはとても有難い。
がだ、そうして「生存」を大事にすればするほど経営が立ち行かなくなるのはなぜ?

 まあ、時代の流れが「平凡ではない」ということに価値を置くようになったともいう。
突き詰めると「平凡であればあるほど、居場所をなくす」時代になった、ともいう。
がだ、非凡を貫いて、その才(=差異)を酷使して成果を上げても心身共に疲弊はする。
疲弊を忘れて我をなくして呑んだくれたところに「平凡」が飛び込んできた。

 「人と違うことを平気でやることができる」人に平凡は憧れ、
「人と違うことを平気でやることができる」人は平凡に憧れ、それぞれが響きあって
流れのままに一緒になったけれど、それぞれがそれぞれのもととする世界が違えば
徐々にしっくりこなさが現れて、時間とともにひどくなり、また我を忘れる。

 我を忘れるところによりいやらしい人間がやってきて、利用して、木工所を乗っ取る。
その様が「働く人」に対して冷たくならなければうまく回らない世の中になった、
ということを思い出して、正直戸惑うのです。

 働く人、というものはそれぞれ不可侵の領域を持っていて、
その領域を知らない人に踏みにじられるとものすごくしんどい。
けれども、怒りを出したくても不可侵の領域によって生み出される
「誇り」が邪魔をいい意味で発揮して出せない。
それでもしんどいのは変わらない、次第に限界点超えて
超えた結果が「裸でスキップ」することだったのね。

 愛おしいが、切ないな。 

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