iaku 「エダニク」

「自分の庭」の境界線はいつも曖昧。


 自分は、こうやって演劇をしている他に生きていくために
ファミレスの工場で朝から夕方まで働いている。
仕事の内容は、午前中は深夜から早朝にかけて
各店舗に商品を出した後片付け、翌日の商品出しの準備。
午後は箱洗いとゴミ庫の掃除。

 ひと仕事終わって、ハコにたどり着き、いつもの場所に座る。
冷蔵庫のようなひどく寒い場所にほとんど一日いるわけだから
心と体の両方がものすごく硬い、カチカチに硬い。
どちらもカチカチに硬くなると、他者や物事に対して接し方、というものを
慎重にしないとものすごく大変なことになってしまう。

 工夫を学んで、演劇に活かし、活かしたものを仕事に落としこむ。
この繰り返しが5年間続いている。
ほんとによく続いている、大したものだ。

 このお話は食肉の解体工場のおはなし、ちょうど自分の仕事の前段階。
あの場特有の「寒さからくる心とからだのこわばり感」がよく出ている。
寒い空間でヘタすると大怪我しかねない労働環境で長時間働いて、
気持ちとからだを張り詰めた状況を「緩める」休憩時間。

 カップ焼きそばを食べたり、「切り替え」のやり方は人それぞれ。
そうして緩めようとした時に脳髄、どこかになくした、探せと言われたら
大変だ、さらには変なこだわりを持つ牧場の息子が余計なことを言って
そこにリストラの渦中の人が「脳髄テロ」を起こしてさあ大変。

 物語が進むに連れて、自分自身がついこないだまで体験したことを
「演劇を見る」と言う形で追体験していることに気がつく。

 ハンバーグ工場の仕事の中でリズムが揃わない、というか
最近、「ああせい、こうせい」と「態度」を強要する人が新しく入って来たり、
仕事の状況がそういうふうになってきたことが多くなり、心も体も疲弊していた。
・・・こうなったら仕事も、人生も楽しくなくなってくる。
ほんま、けったくそ悪い、やってられへん、と爆発飛び越えて
暴発させること数回、結果、事を荒立てて大変なことに。

 ・・・わたしも、わたしの世界において筋は通している。
けれども、「筋を通す」という行動が「自分の庭」の基準に於いてだから
こういう大変な事態になっているのかもしれないよと。
 仕事、というものは「個人」ではなく「集団」でやるんだろ、
その集団の中で「役割」というものがあって、その「役割」を
どう工夫してやりこなしていくか、が「働く」ということなのじゃないのかな。
それをいちいち「やってられへん」と荒立てていたらどうなる?

 こういうことを言い含められ、諭されたのだな。

 その後、作業しながら「わたしの至らなさ」を思い出し、考える。
どうして、「やりにくい」とぐずっているのだろうか。
理由は、「自分の世界」というか、「マイルール」というものを
他者から、もしくは他者に押し付け、押し付けられることがあって、
思いや考えを汲み取っていない、汲み取ることができないことについて
苛立ちを覚えていたのだろう。

 さらには人と人の間を感じ取る「アンテナ」が壊れてしまった人の
言動や行動をうまく処理できなかったり、「表現」を使って自らの
自尊心を保ちたい、自らを誇示したい人の攻撃までも処理できない。

 ・・・なんでそんなことするの?
それぞれのプライド、それぞれの「差別」がお互いを
邪魔していることに気がついてよ。

 そんなことが今まで積み重なっていて、さらにダメを押されたらそうなるよね。
ましてや、「庭のこと」をあまりよく知らない人から文句言われたら
これを無意識のうちにやられたらもっと暴発しても仕方がない。
働く以上はそこを堪えなければいけないのだが。

 そういうふうに感情を吐き出し、働ける状態になるまで「謹慎」と言う形で
心と身体を落ち着かせて、懸案を処理して、「培った技術」を次の世代に教える、
という「新しい役割」があって、また働き始める。
・・・そういうものなのだ。
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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

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