ガレキの太鼓覗き見公演 「風営法違反編」+「おくりびと編」

…エロもいいが(以下略。 

ん、まあ、枝光アイアンシアターでこういう「演劇」に遭遇したから、顔を出したくなったわけで。
舘そらみ、という女の子はなんていうか、たくさんの引き出しを持っている。
アイアンでの学校のお話でいろんなことを思い出して、翌日出して受けてをやって、
その流れで今度やるよ、なんていわれた暁には万難を排して言ってしまうわたしを断罪せよ。

 そういう日程を組むと、てかその前に熊本で雨傘屋というカンパニーが
「わが星」を独特の味付けでやる、という日程が一番最初に入ってきて、
次にガレキの覗き見公演が入り、さらにはサキトサンズの岸和田公演がやってきて、
ツイッターでSun!!さんがわれらが愛媛の「あの蛙」がどーのこーの言っていた、と言うことを思い出し、
さらにはMayのきむ・ちょりも見てみたい、という流れで珍しく恐ろしい日程になった。

 金曜日の夕方、仕事が終わって、スカイマークの成田便で東京に向かう。
数ヶ月前は18時55分発だったのが今回は18時35分発、荷物のピックアップをしても
なんかいい感じ、上野行きのスカイライナー、ええ感じで間に合うが問題が。
・・・京成成田空港駅のスカイライナー乗車券売り場のクレジットカードリーダーが
なんか、新式のクレジットカードに対応していないらしく、貴重ななんだかんだを(以下略。

 で、まっすぐ上野について、書いて、飲んで、寝る。
起きて、まずは新宿へ、それから小田急にのって代々木上原にはじめて降り立つ。
事前にもらったメールを元に待ち合わせ場所の確認をして、何か喰って、トイレに行って、
待ち合わせ場所で何かを眺めながら待つ。

 待っていると、「謎の人」が現れてあるマンションに連れて行かれる。

「風営法違反編」
 足を踏み入れたら、まじでごゆい。
・・・流れてくるにおいがああいった風俗店の「におい」そのものだった。
で、お風呂場からぴちゃぴちゃとシャワーの水の音、それを聞くと
ああ、おれ、また、やばいことしている、ごめんなさい、お母さま、という気持ちになってしまう。
うん、つい最近まで演劇の仕事行って、そのあとの心と体の寂しさを(以下略。
で、気がつけば(以下略。それで母に大概迷惑をかけたわけで。
こういったことを踏まえて物語を見ると実に興味深い。

 「新婚プレイ」を好むお客さんのダラダラ具合にやられた。
そのやり取りを暇している別の女の子ふたりが
ガールズトークをしながら聞いている、と言うか、
感じていることが、まずありえない。
というか、この風俗店、結構コストを掛けずにやっているようだ。
お客さん同士、またはお客さんに付いている以外の女の子が見えないように
最新の注意を払うのがこのお仕事が心がける一番のことで、
隠しても隠し切れない、というのがなんともまぁ。

 お金が必要なのに「女の子の日」というもので働いてはいけない、
それならお金貸して、とは言うけれど、まあなんだかんだと条件をつけて。
働けないなら「研修」というものでもしましょうか。
これらがあまりにも生々しくて、おまけに売れっ子の女の子が
お客さんに対する顔とボーイさんなどの男性従業員に対する顔を
うまく使い分けている様子もなんかすごい。

 で、店長も店長でなにか大変なことがあるらしくそわそわしている。
さらには、仕事を離れた所で恋愛、というものが発生して
「風俗で働いている」ということを彼氏に上手く言い出せずにいる、
さらにはここ数ヶ月生理がない、もしかしたら(以下略。
あと、何があったか知らないがあることないことをネットに流すば(以下略。

 そんなこんなで見えないカオスが重なっているところに「厄介な客」登場。
最初はセクキャバ風味で時間を稼ごうとするが、気に入っているのか、
扱いやすいのか、「本番行為」というものに持って行こうとする。
それを止めにかかる、という「修羅場」寸前で強制的に帰させられる。

 ところどころに匂う人間の駆け引きがものすごくドキッとする。
物足りなさ、というのも調度良い。

「おくりびと編」
 ・・・まじで泣けた。
自分自身が今後、こういう状況になることがわかっているからかもしれないが。
いや、まあ、ここ数年、父がとりあえず元気なのだが、気持ちが安定しない。
なんでかな、なんでかな、とか悩みながら日常を送って、どうも我慢ならなくなって
妹の旦那さんと一緒に病院に行ったら・・・(以下略。

 こんなことを抱えて、少し手放してこのお話を見る。
これまた生々しい「生活感」だ。
ある日突然父が倒れた、と言うかなんかおかしいね、といって見てみたら
息をしていない、病院に運び込まれたらもう手遅れで。
それだけでもバタぐり返しているのに、これからはじまる通夜やら葬式の
手配がまだ整っていない、という状況に突然飛び込む格好。

 寝てないし、慌ただしい、おまけに満足に食べていない。
これだったらちゃんとした考えがわくはずがない。
そういった考えの混雑具合が外から入って来た人(婿とも言う)が
入ってくることで整理ができて、とにかくシンプルに、という方針が決まり、
方針が決まるといろいろな感情や、思い出が湧き出してきて
この思い出や感情を「手紙」と言うかたちで整理を始めた所でまた帰される。

 自分は、まだ時間があるとはいえその時どうできるのか、正直わからない。
いろんな感情がないまぜになってどうしようもできなくなるのかも。
理由はわかっている、けれども長年の怨念はどうしようもできない。

 これ、4演目をやっていて、その内2つを見たのだが、
それぞれが面白く絡みあって、「人生」を表現できている。
お金と時間に余裕があれば4演目通しを目線変えて2回見たい、と思った。

テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

大池企画「いないかもしれない 動ver.」

人と人の間には、こっ恥ずかしい思い出だらけ。
 フィジカルに個々人の「物語」を載せるやり方は
福岡にあるvillage80%というカンパニーのやり方といっしょ。 
がだ、こっちのほうが演劇としてはアグレッシブ。
心の奥底にあるこんな柔らかいところにまで
「触れていく」ことができるのか、という驚き。
だからこそ、静ver.の方も見たかった。

 私はひとりになった時、いつも子供の時「やらかした」しくじりの記憶が
泉のように湧いてくる、もしくは憤怒や憎悪というものに化けて、
これらの感情を噛み締めれば噛み締めるほどいたたまれたくなってしまう。
仕事の内容が恐ろしいほど激しく、なにか不安を抱えて眠れなくなったり、
食事を摂るタイミングを間違えてしまうとこのいたたまれなさが掛け算で
わたしの体と心全体にのしかかってきて、
「生きてる価値なんてないじゃねーか、早く死にたい」という感情まで
増幅されてしまうといろんな意味で収拾がつかなくなる。

 こんな状態が表演空間自体に再現されている。
いろいろな「思い出」が自分と「他者」を分ける「境界線」を
作っていて、ああ、こうやって私はわたしを守っていたのか
そうしなければもっとひどいことになっていたのかもしれない。
でも、もっとひどいことにすることも望んでいる私も存在する、
このことを改めて知るように仕向けられて物語が始まる。

まずはランドセルをボール代わりにしてサッカーでいう
「鳥カゴ」のムーブマイムを始め、同窓会の「一次会」が
いつの間にか始まった。
まずはお互いの近況報告を当たり障りなく。
その中に、未婚、既婚のお話やら、関西と関東の文化の違いやら
人の生死のこととか、積もる話をしていたらもう時間。
そういう「今」と「昔」が入り混じった空間で生まれた
個々人の意識をきちんと話す相手に込めている。

 「二次会」に移って、今度は「話題」というものを
ボールというものに込めてゆっくり、まったり回しながら
いろんな意識を相手に返しては出し、出しては受けている。

 こう言った作業をやられると子供の頃の嫌な思い出が
じわりじわりと炙りだされて正直、嫌な気持ちになる。
この嫌な気持ちに向き合うことでわたしはわたしになったのかもしれない。
わたしがわたしになるための道具として彼女は「まほうのクレヨン」を使い、
絵を書いて、書き続けることでこの嫌な思い出を何とかした。

自分は、演劇のスカウティングを始めたことで何とかしたのかもしれない。

 結果、みんなそれぞれ、嫌な思い出を持っていて、
その思い出が頭の中からじわじわ湧いてきて、
なんかいたたまれない感覚に襲われる。
そのいたたまれなさを乗り越えたのかどうかよくわからないが
「大人」の関係としてまたはじめてみようと踏み出してみる。

 なんか、自分もある女の子に対する因縁話を思い出し、
「ああ、元気かな」といういたたまれなさを抱え、福岡に帰る。
次の日、下の妹の娘が幼稚園の準備クラスに入った話があり、
その縁でどうやらある女の子と下の妹が仲良くなりだしたらしい。
・・・さらにいたたまれなくなってしまう。

青年団「月の岬」

人間は斯様に「えげつない」ものなのか。 

こういうたぐいのお話をF’s companyの「けしてきえないひ」や「ツキコイシ」、
Hit!Stageの「白波の食卓」や「春の鯨」、「Case3~よく学ぶ遺伝子」
更には「西の桜」という「月の岬」の舞台である長崎の劇団が
こういった同じ「因業」の物語を演ったものを
さんざん地元の空気で見てきたが、それ以上にえげつない。
人が因業に振り回される、とはこんなに恐ろしいことなのか、
この現実とどう向き合い、どう受け止めるか、ある種の戦慄を感じた。

 表演空間が東南アジアを始めとした亜熱帯気候の
空気をはらんだ作りになっていて、ものすごくおしゃれだ。
そのおしゃれな空間に母親がすうっと出てきて「物語」に
見手が入っていく準備をいつの間にか始めている。
というか、一歩表演空間に足を踏み入れた瞬間、
物語が始まっている。
どこかしらから鳴っている「無音の音」までもが重苦しい。

 その重苦しさを背負って今日はめでたい結婚式。
・・・それにしても朝ごはんの時からえらくだらだらしてる。
時間に追われているはずなのに、なんかゆっくりしてる。
高菜の油炒めをおかずにしてお新香をつまみながら
ご飯を食べ、味噌汁を飲む。
食べ終わったらこれまたゆっくりと支度をする。
そして長崎市内に向かう船が出港するギリギリになって
ようやく重い腰を上げる。

 この一連の流れこそがこのあとの「すべて」を暗示している。
この島がとその住人が持つ不思議な引力に気がつけば巻き込まれて、
「よそ者」という異物がこの島に入ってきたことから生じるたくさんの
「反発力」が微妙に色合いの違う「灰色」となって表演空間を包む。

 この灰色こそがだれもが持っている「秘密」というものであり、
「タブー」と呼ばれているものの正体なのだろう。
どこか、この島はそういった「タブー」や「秘密」を守るために
「閉ざされること」を望んでいたのかもしれない。
そして、これらの秘密やタブーを一度のぞいて、触れてしまったが最後、
形はどうであれ、この島を出ていくように「天の配剤」によって
仕向けられる、というある意味恐ろしいことを極めてあっさりと見せている。
「そうなったものは、仕方がないじゃないか」と言わんばかりに。

 だから、あるものは長崎に残りたい、と思っていたのが
東京の大学に行ってみたい、と言い出すし、
今まで隠していた「好き」を果たすためにさようならも言わずに消えちゃうし、
そのいざこざで複数の家族がつながりをなくしてバラバラに成っちゃうし、
なにか異質なものが入ってきてエネルギーが異常に高まって
すべてが壊れた、さすがにつらいし、しんどい、けれどもこれは「再生の痛み」。
この再生の痛みをどう乗り越えるか、それは人それぞれ違うのだ。

 ものすごく心がヒリヒリして切ない気持ちになって、
じわじわと戦慄を持った切なさがわたしを包み込んでいく。
そんな状態で福岡に帰ると今までの緊張が体中に来て
珍しく体調を崩してしまった。
それほどパワーのある、というかありすぎるお話だった。
プロフィール

itumo25254you

Author:itumo25254you
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